このコラムの中でもいくつかご紹介したことがありますが、コーヒーには様々な良い効果があると言われています。
健康に良い、美肌効果がある、ダイエットに良いなど…。ですが、それらの効果は一体なぜ発揮されているのでしょうか?コーヒーの中のどういった成分がその効果をもたらしているのか、疑問に感じたことはありませんか?
先日、NHKの「あしたが変わる トリセツショー」という番組で、コーヒーについて取り上げていました。その番組では、「コーヒーには、2型糖尿用の予防、肝機能の保護、痛風発症リスクの低下、脂肪燃焼、美肌効果、認知機能の保護、脳卒中リスク低下などのさまざまな健康効果が報告されています。」と紹介していました。
また、それらの効果をもたらしてくれる主な成分として、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」を挙げていました。糖の分解を妨げることで血糖値の上昇を抑え、強い抗酸化作用で肝機能を保護したり肌のシミを抑える効果があるそうです。
う~ん。良いことばかりで逆に怪しい…さすがに言い過ぎなのでは?と思わずにはいられません。本当かどうかを確かめるためにも、「クロロゲン酸」について簡単に調べてみました。
すると、すぐにひとつの論文がヒットしました。「コーヒー豆中のクロロゲン酸類と総ポリフェノールの分析」というタイトルの論文で、冒頭の部分でこのような記述があります。
「コーヒーの酸味や渋みなどの味わいに深く関係しているクロロゲン酸類には、血糖値上昇抑制作用、血圧改善作用、抗発がん作用、抗酸化作用、抗菌活性など多様な機能があることが知られている」
どうやら、番組で紹介していたことは言い過ぎではなかったようです!失礼いたしました…。この論文中では豆や焙煎度によってクロロゲン酸の量が変化するとの記述もありました。実験ではブラジル産ロブスタ豆とブラジル産アラビカ豆の2種類について、焙煎度の異なる豆を用いて測定を行っていますが、結果としてロブスタ豆の方が含まれるクロロゲン酸が多く、どちらの豆も焙煎度が高いほどクロロゲン酸の量は減少したとのことです。
ただ、過ぎたるは及ばざるが如しという言葉もあるように、何事も摂りすぎは良くありません。クロロゲン酸の量が多い方が良い!など気にしすぎることなく、コーヒーを飲む習慣がある方はそのままで良いのではないでしょうか。
また、番組によるとコーヒーを飲む量は1日あたりブラックでコーヒーカップ3杯程度が良いそう。ただし、コーヒーのカフェインは一時的に血圧を上げる作用があるため、高血圧の方は1杯まで。また、中学生以下や妊婦の方もカフェインの影響が強く出てしまうため、1日1杯に抑えた方が良いそうです。対象になってしまう方はお気をつけてコーヒーを楽しんでくださいね。
今後も番組で紹介されていたことについて、少しだけ深堀して改めてご紹介していきますので、シリーズでお付き合いください。その1でした。
参考
NHK「あしたが変わるトリセツショー」コーヒーのトリセツ:https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pnR8azdZNB/bp/pLKb2D8aOj/
河野洋一, 藤田和弘, コーヒー豆中のクロロゲン酸類と総ポリフェノールの分析, 分析化学, 第65巻6号, pp. 331-334(2016)